祇王寺の四季 ▼ 春 ▼ 夏 ▼ 秋 ▼ 冬 春 まつられて 百敷き春や 祇王祇女― 智照尼 樹齢150年の祇女桜があったころは、苔庭一面に桜の花びらが舞い散り、薄桃色の小紋模様を描いたといいます。青々とした竹林からは、うぐいすの声が聞こえてきます。 夏 短夜の 夢うばふもの ほととぎす― 智照尼 新緑が最も美しい季節、夏。緑一色となった祇王寺には若竹の緑の風が静かに流れ、ひぐらしの鳴き声が響きます。 秋 五十年の 夢とりどりの 落葉かな― 智照尼 小路に、庭に、草屋根に、そして竹林に、たくさんの散紅葉が静かに重なる秋。深い紅色に一面が美しく包まれます。 冬 妓王寺と 書けばなまめく 牡丹雪― 智照尼 淡雪が降り積もる、雪化粧美しい冬。霧にけぶる草庵が浮かび上がり、まるで一幅の名画のような景色です。